2007年05月10日

末川博と平和憲法

立命館が戦後発展したのは滝川事件京大を退官した末川博を学長に招聘したことが大きいようです。私自身、末川博といえば「末川記念会館」を連想するぐらいで、直接お話を伺ったことはありません。

憲法:40年前の護憲映画をDVD化…京都の男性(MSN毎日インタラクティブ)
平和憲法を守ろうと、京都の文化人らが42年前に製作し、長らく埋もれていた記録映画「日本の憲法」が、製作メンバーの堀昭三さん(79)=京都市上京区=によって、3日の憲法記念日に合わせてDVD化された。堀さんは「憲法改悪を阻止しようという当時の熱気を映像を通して感じ、平和憲法の意義を若い世代に改めて考えてほしい」と話している。
(中略)
戦争末期、志願して海兵団に入隊。戦後に入った立命館大の講義で聴いた末川元総長の「立派な市民になれ」という言葉に、「平和憲法の下、2度と悲惨な戦争を起こしてはいけない。戦争をしない国にするのは自分たちだと実感した」と語る堀さん。「国民投票法案の衆院通過で改憲が具体化する今こそ、映画を見て憲法を守る力になってほしい」と話している。


ネットで検索する限り、人間的におおらかな人ではないかという印象を受けます。

彼の歩んだ道より
末川博総長の講義「法学」は存心館2階の大教室であったが、他の学部の学生や、府立医大、京大からも聴講に来る学生で廊下まであふれていた。末川先生の講義はわかりやすい言葉で話され、講義というよりは講演を聞いているようなものだった。


「私の心に残った語録」15 「克己」 「理想は高く、姿勢は低く・・・」  立命館大学元総長末川博(インパナトーレ)
末川博総長から卒業記念に頂いた色紙です。
その色紙には次のように書かれています。
「理想は高く 姿勢は低く いつも心に太陽を持って ゆっくりと がっちりと 理論を貫いて実践に行き 実践を通して理論を究め 前へ前へと進もう
未来を信じ、未来に生きる 君の洋々たる前途を祝福して」


「平和憲法を守れ」という意見の中には、「護憲」に固執する人もいるのですが、末川博先生の言葉を見ていると、必ずしもそうは読めない気がします。
守るべき理想と、実践と理論のフィードバックについて述べてある点、さらに「前へ前へと進もう」という言葉。躍動感とか動的な印象があります。
それに対して「護憲」という言葉からは、静的、保守的な印象を受けてしまいます。

「憲法第9条は平和に貢献」78% 朝日新聞世論調査より
憲法改正が「重要な問題」と思う人は57%。一方で、家庭や職場などで憲法の話をする人は、「よくある」「ときどきある」を合わせて34%。3人に2人は「ほとんどない」か「全くない」と答えた。憲法を巡る国民論議が盛り上がっていない現実も浮かび上がる。

「憲法を変えるなんて!」「なんだかよくわからない」「取り敢えず今のままでいいんじゃない?」という態度だって、護憲です。

平和憲法の理想を守るために、われわれができることは末川博の言う「立派な市民になれ」ということでしょう。決して、目を瞑って、耳を押さえて「護憲」のみをただ叫ぶことではないでしょう。


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Posted by miki  at 01:49 │Comments(0)立命館

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